June 20, 2024 → June 26, 2024
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沖縄公演 瀬名詩織ソロパート 〜人魚姫の舞踏会〜
詩織
人魚姫は、海が好き。
海は広く、どこまでも続いていて、
いつだってありのままの自分を包みこんでくれるから……。
詩織
それがたとえ、口下手で、感情を顔に出すのが苦手で、
歌でしか想いを伝えられない、不器用な私であっても……!
詩織
青いサインライトの光……ああ……とても綺麗……。
ここが、私の海ね……私が、ずっといたいと願った海。
詩織
ねえ、聴いて……。
私がどれほど、貴方を想っているのかを……!
海
すごいや、詩織さん。
体の奥まで響いてくる……!
気持ちがすごく伝わってるよ。
海
なんか……なんていうか……ヘへっ。
もう、言葉にならないや。
蓮実
海さんも、どうぞ、ハンカチを。
涙をふいてください……ぐすっ。
プロデューサー
海面は静かに凪いでいても、
海底には熱い潮が渦巻いている。
詩織はもともと、感情豊かな人間なんだと思う。
プロデューサー
初めて出会ったとき、そう直感したんだ。
それを表現する方法を、彼女がまだ知らないことも。
だから、アイドルにスカウトした。
プロデューサー
詩織のなりたい自分に、なってほしかったから。
葵
あれれ?
プロデューサーももしかして、ハンカチいるん?
美優
歌と、パフォーマンスと……
アイドルという感情表現の武器を、
詩織ちゃんは手に入れたのですね。
麻理菜
ふふっ。
じゃあプロデューサーくんは、詩織ちゃんにとって、
まさに運命の……。
詩織
もしも私の物語が、出会いと別れを何度も経て、
傷ついて……くりかえされていく人魚姫の物語だとするなら……。
詩織
何度もくりかえして、私は出会えたのね。
プロデューサーさん。
貴方は私の、とても大切な……。
プロデューサー
いや、プロデューサーは脇役のひとりでいいんだよ。
アイドルにとっての王子様は、ファンのみんなのことだから。
文香
人魚姫の物語では、
人魚姫は王子様と結ばれたくて、
ひとりの魔法使いと出会います。
文香
元の物語では、魔法使いは人魚姫から歌を奪う役でした。
けれど……ふふっ。
この世界の魔法使いは、人魚姫に歌を与えるのですね。
飛鳥
魔法使い、か。
やれやれ。キミをそう認識する者が、また増えたというわけだ。
蓮実
そして、その魔法はきっと、
誰もが「本当の自分で輝ける魔法」なんです。
詩織
プロデューサーさん。
貴方は私の、とても大切な……
運命をくれた、魔法使いよ。
LIVEは大成功に終わった……
そして数日後……
-事務所-
詩織
「こうして人魚姫は、ありのままの心を歌に込め、
王子様に伝えたわ。」
詩織
「王子様と結ばれた人魚姫は、
お城でいつまでも幸せに暮らしていくの。めでたし、めでたし。」
[何をしているの?]
詩織
手紙を書いていたのよ。
やっぱり私は、言葉にするのが不器用で……。
だから今度は、物語にしてみたの。
詩織
このチケットと一緒に、封筒に入れて送るわ。
手配してくれてありがとう、プロデューサーさん。
プロデューサー
お友だちが、詩織のLIVEに来てくれるといいね。
詩織
ええ。
彼女が返事をくれたことは、今までなかったけれど……。
でも、もし……。
詩織
もし、貴方が私の歌を聴いてくれたら。
今度こそ、私のせいいっぱいで、伝えるつもりよ。
貴方のことが、ずっと大好きだって。
みく
ハンバーグ♪ハンバーグ♪にゃ?
七海
詩織さんれすっ!
何を書いているのれすか?
詩織
……そうね。歌を作っているの。
詩織
私にとっては、歌が武器ってわかったから。
鈍感な誰かさんに、私の気持ちを伝えてみようと思って……ね♪
薫
せんせぇ!
それってどういう意味?
仁奈
プロデューサー、嬉しそうにしてやがります!
詩織
ふふっ……♪
仁奈
おとなの気持ちになるのは、むずかしーでごぜーます……!
柑奈
詩織さんってば……相変わらず不思議で、
神秘的で、ミステリアスで……
海のような、素敵な人ですね♪
愛海
うんうん。
つかみどころがないっていうか、
つかみたいところがありすぎるっていうか……♪
葵
でも……あたしはやっぱり、
詩織さんはちょっとだけ変わったって思うよっ。
海
心の中で、たくさんの気持ちが波立っては凪いで、
今の詩織さんになったのかもね。なにせ……
彼女は意外と、感情豊かだからさ♪
詩織
人魚姫は、今日も歌うの。
もう昔のように独りではなく……
その歌声が、たくさんの人々のもとへ私の愛を運ぶから。
詩織
人魚姫の……いえ、私、瀬名詩織の物語は、
いま大海原へと漕ぎ出した。
水平線のむこうには、いったい何が待っているのかしら……?
詩織
そのお話は……また、いつか……ね♪