June 20, 2024 → June 26, 2024
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みく
にゃっふっふ……!さようならを言われて、はいそうですかとは
いかないのにゃ!みんなで立てた作戦どおり♪
さあ……詩織チャンを確保ーっ!
薫・仁奈
それーっ!
愛海
ガシィーッ!
詩織
えっ……ちょっ、ちょっと……!?
きゃあああっ!?
-設営前のLIVE会場予定地-
詩織
えっと、プロデューサーさん……。
みんな……ここは……?
海
今度のLIVEの、会場予定地さ。
いまは準備中だけどね。
葵
詩織さんっ。これ、受け取ってほしいっちゃ!
みんなで力をあわせて作ったけん!
七海
そう、いうなれば最終兵器の……なんれしたっけ?
飛鳥ちゃんがかっこいい名前をつけてくれたの~!
飛鳥
「魔法のナイフ」さ。
詩織さんが人魚姫だというのなら、王子様をこの刃で刺すといい。
詩織
刺す……?みんな……いったい何を言って……。
これは……楽譜?
柑奈
はい!
私たちで曲を作り、
私たちみんなで歌詞を書いたものです。
清美
言葉というのは、その人そのもの。
別の誰かが勝手に言葉を紡ぐのは、本来ならばルール違反。
ですが、今回限りは、そのルールを超越させていただきました。
文香
詩織の気持ち……。
それを私たちが、詩織に代わって表現した……
などと言うのは、おこがましいかもしれませんが……。
海
でも、ウチらなりにせいいっぱい、
この歌に込めてみたつもりさ。
ウチらがよく知ってる詩織さんを、ね。
詩織
……これは、素敵なラブソング。
いいえ……それよりもっと大きな曲……。
まるで、心の波が……押し寄せるような……。
美優
いつも奥ゆかしい詩織ちゃん。
その心の、奥の奥にあるものは、きっと……。
私たちは、それを考えてみたんです。
飛鳥
アイドルの詩織さんにとってファンのひとりひとりは王子様。
ならば、この歌で遠慮なく、思うがままに突き刺すといいさ。
もっとも、刺すのは肉体ではなく、心だけどね。
プロデューサー
歌ってみてくれないか。
この歌を、いまここで。
いつかここを埋める満場のファンたちに、聴かせるつもりで。
プロデューサー
あなたがアイドルに向いているかどうか、
それはあなたが決めつけることじゃない。
それを聴いた人が決めることだ。
プロデューサー
自分はプロデューサーだよ。
仕事に嘘はつかない。
詩織
……わかり、ました。
詩織
……♪
柑奈
……!
では私が、ギターで伴奏を……。
詩織
~♪
詩織
怖い気持ちもあるけれど、
プロデューサーさんなら信じられる……。
だから、ここから始めたいの。
詩織
私の歌が、誰かの水底へ光を届けられるように……。
もっと輝きたい……。
詩織
不思議ね……。
いつまででも、歌って、踊っていられそう……。
それはきっと、ここが海だと、私と貴方が願ったから……。
詩織
私にできることがあれば言って……。
私、みんなの力になりたいの……。
詩織
儚いからこそ、ひとつひとつを大事にしたくなるわ。
人の絆も同じ……。
詩織
ここでは、寂しさを感じる暇もないわね……。
夜明けに射す光のような場所。
詩織
……たくさんの出会いが、キラキラと輝いて、私を照らす。
麻理菜
あら?
この先の歌詞って……
私たち、1番までしか作ってないわよね?
蓮実
きっと、即興です……。
詩織さん自身の胸に、言葉があふれているんですよ。
詩織
……好きでいたい。
いくたび、伝えられなくても。
いくたびも、私は会いにいく。
詩織
不器用だけど、私はただ……
貴方のために笑いたい……っ!
ファンの少女
うう、ううう……。
清美
……!
あなたは……あのときの……!
ファンの少女
うぅ……詩織ちゃん……ごめんなさい……。
私っ……ひどいこと言っちゃって……。
ファンの少女
見えたよ……!
詩織ちゃんの、歌の中に……。
笑顔も……。大好きも……全部っ……!
詩織
……こちらこそ、ごめんなさい。
私はいつも、笑顔も言葉も、へたっぴで……。
気がつけば、大切な誰かを傷つけてばかり……。
詩織
でも、だからこそ、きっと私は歌うの。
ファンに……私と出会ってくれた貴方に、
大好きって伝えたいから。
プロデューサー
詩織は気づいているんだろうか。
自分がいつの間にか、海をただ眺めるだけではなく、
海にむかって歌いかけるようになっていたことに。
海
昔の詩織さんは、心で海と語りあっていた……。
でも、いまの詩織さんは、もっとにぎやかに
海とおしゃべりしているんだね。
プロデューサー
夕方、歌っている詩織をみんなで見つけたとき、
彼女の歌声にどんなことを感じていた?
海
哀しさ、切なさ……。
あのときは、みんなそう言ってたよね。
でも、もうひとつ、実は感じてたんだよね。
詩織
……これは、素敵なラブソング。
いいえ……それよりもっと大きな曲……。
まるで、心の波が……押し寄せるような……。
詩織
愛の歌……。
そして、時は流れ……
LIVEの日がやってきた……
-本番前-
海
詩織さんは、人に好かれたいって言ってたけどさ、
ウチ的にはちょっと違うかもって思ったんだよね。
彼女はどっちかっていうと、見返りなんて求めちゃいない。
海
人に好かれるっていうよりは、
まずは自分が、人を好きでいたいんだよ。
なんて言うと、へへっ、ちょっと恥ずかしいけどさっ。
葵
やけん、プロデューサーは賭けたんよね?
詩織さんが、口ではなんて言っても、どんな顔してても、
本当は……。
葵
ファンが好きで、
歌うことが好きで、
アイドルが好きなんだって!
詩織
……私、もう一度、会いにいくわ。
もう怖がったりしない。
ちゃんと会って……確かめるの……。
詩織
きっと応えてくれるわ。
ひとりぼっちで眺めるだけの海じゃなくて、
プロデューサーさんと一緒に見つけた、私の新しい海が……!
みんなからの贈り物に、人魚姫は勇気をもらって……。
王子様へ、大好きな人たちへ、胸の想いを伝えるために向かうわ。
舞踏会という名の、ステージへと……!