August 19, 2023 → August 27, 2023
もりくぼはユニットの解散をPさんに申し出ました。凪さんの足を引っ張るのは、申し訳なくて…。ですが凪さんもまた、もりくぼを思って解散を考えていました。もりくぼは、凪さんの優しさに気づき、もっと気持ちを伝え合うべきだと…気づけば、大声で呼び止めていましたね、はい…。
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-事務所-
乃々
……プロデューサーさん。
お話が、あるんですけど……。
プロデューサー
乃々?どうかした?
乃々
その……。
な、凪さんとのユニットを……
解散、させてほしくて……っ。
プロデューサー
……なにかあった?
それとも、誰かになにか言われた?
乃々
い、言われてません……。
正真正銘……もりくぼの言葉……です。
乃々
もりくぼのせいで、
これ以上、凪さんの足を引っ張るのは、
申し訳なくて、耐えられなくて……。だから……っ。
プロデューサー
仕事に関して、無理強いをするつもりはないよ。
あくまで本人の意向を一番に考えたい。
でも、乃々は本当にそれでいいの?
乃々
……。
…………。
プロデューサー
大事なことだから、勢いとか自棄とかじゃなくて、
しっかり考えて、答えを出してほしいんだ。
乃々
……っ、
わかり、ました……。
ちょっと……考えます。頭を冷やして、落ち着いて……。
輝子
あっ……!
その……ご、ごめん……。
聞くつもりは、なかったんだけど……。
乃々
いえ……いいんです。
勢い任せで来た、もりくぼが悪いので……。
輝子
……あのさ、思ってたより、ずっと……
乃々ちゃんは悩んでたんだな。
今さらだけど、私で良ければ、話聞くよ……?
乃々
もりくぼも、正直わからなくて……。
だけど、このままじゃいけないってことだけはわかったから……
何かプロデューサーさんの指示が、欲しかったのかも。
輝子
その……もし……
プロデューサーに何か言われたとして……
乃々ちゃんは、納得できたのか……?
乃々
それは……。
凪
失礼します。
いつ来ても、Pの部屋には安心感。
けれど今日は、心なしかよそよそしさも感じるな。
プロデューサー
凪……どうかした?
凪
衝撃の解散発表をしに来ました。
乃々さんとのユニットのことです。
凪
ご存知の通り、凪は凪であり、凧にもネギにもなりません。
凪はそれでもいいですが、
乃々さんにとっては、大きな負担だと思います。
凪
……そこで、凪なりに考えました。
このまま、乃々さんを困らせてばかりで良いのだろうか。
いや、良くない。
凪
なので……これも、致し方なし。
それもまた、人間万事塞翁が馬。
プロデューサー
…………。
それが、凪の本心?
凪
……そうですね。
乃々さんが、日に日に衰えていくのが
見てとれたので。解散寄りの解散かなと。
凪
おそらく、乃々さんは自分から、
こういうことは言わないでしょう。優しい人ですから。
そこで、勝手に代表して、凪が言いにきました。
プロデューサー
乃々のことばかりだけど、凪の気持ちは?
凪
凪の気持ち?
どうでしょう……。
凪の気持ちは、解散したくない寄りですかね。
凪
だけど、乃々さんはともだちなので。
凪は、大切にしたいと思っています。
凪
尊重したり、優先したり……
そのために身を引いたり。
ときには大事なんじゃないかと。
凪
……違いますか?
プロデューサー
違うことはない。
凪の気持ちはわかったよ。
凪
そうですか。安心しました。
では……そういうことで。
あとは良きように頼みますよ、P。
乃々
凪さん……。
もりくぼのこと、ともだちって……。
乃々
本当は続けたいって言ってくれたのに……
もりくぼのことを考えて、解散って……。
乃々
凪さんが、そこまでもりくぼのことを、
思ってくれてたなんて……想像もつきませんでした……。
もりくぼは結局、いつも自分のことばかりで……。
プロデューサー
そんなことないよ。
乃々も、凪を思ってここに来たんだから。
乃々
でも……。
乃々
……悲しいものなんですね。
大事にしてくれてるのに、
遠くにいってしまうみたいで。
乃々
だけど……もりくぼも、
同じことをしようとしてたんだ……。
プロデューサー
ユニットを組んだり、誰かと仲良くなったりして、
改めて気づくことがあると思うんだ。
プロデューサー
自分と人は違うってこと。
それから、重なりあう部分もちゃんとあるってこと。
人を思って、深く理解することは、自分を理解することでもある。
乃々
それは……
大事なこと、なんでしょうか?
プロデューサー
とても大切なことだよ。成長なんだ。
いいことばかりじゃないかもしれないけど、
乃々にも……凪にも知っておいてほしい。
プロデューサー
凪には、伝えそびれてしまったけどね。
乃々
……。
もりくぼは……もりくぼたちは、
もっと伝えあうべきなのかも……しれません。
乃々
もっと、言葉を重ねて、本音に触れて……理解を深め合って。
もりくぼたちは、もりくぼは……
まだ、全然それを、していませんでした。
乃々
……もりくぼ、いってきます。
プロデューサーさん、輝子ちゃん、
話を聞いてくれて、ありがとうございました……っ。
輝子
フフ……いつもとは、逆だな……。
七海
うおー!
輝子
うおっ!?
七海
何かあったんれすか?
今、乃々さんがカジキのような速さで
走っていきました~!
輝子
何かあるとしたら……きっと、これからなんだ。
……頑張れ、乃々ちゃん。
乃々
ま、待ってください……凪さん……。
凪
……。
乃々
き、聞こえてない……!?
なっ……凪さん……っ!待ってくださいっ!
凪
わお。
どこの大声かと思ったら、
乃々さんとこの大声でしたか。
乃々
あ、あのっ……!
さっき、凪さんがプロデューサーさんと話してるところに、
実はもりくぼもいて……。その、机の下に……。
乃々
その……もりくぼも……少し前に、
プロデューサーさんに言いに行ってたんです。
ユ、ユニットを……解散させてほしいって。
凪
……そうでしたか。
気が合いますね。
乃々
でも……やっぱり違うかもって、思い直しました。
凪さん。もりくぼは……凪さんのこと、
全然わかってなかったのかもしれません。
乃々
もっと、凪さんのことを知りたい。
だから、その……もうちょっと、お話しませんかっ!